オステオパシーの治療

 

  「あなたは脳血管性の頭痛です。」

 

もし、いきなりこう言われたらあなたは不思議に思いませんか?

 

頭そんなにぶつけたことあったかなあ?もしかしてサッカーでヘディングしたから?でも、みんなヘディングしてるしなあ?先天性で悪かったのかな?でも、今までどうもなかったのはなんでだろう?

 

特に、今までそこに負担をかけた記憶もないのに病とは唐突に襲ってきます。

 

では、なぜその原因が思い当たらないのか?

 

それは現代の身体観があまりにも部分に分けられすぎているからでしょう。頭のことは頭の問題、足が悪いのは足の問題、腰が悪いのは腰の問題と当たり前のように思っていませんか?

 

すべての病気は全身病です。

 

頭の症状であれ、腰の症状であれ、そして心の症状であれ、全てはあなた全体のなにかの変化の結果としてその症状は現れます。

 

オステオパシーでは、常に全体を観て治療します。多くの場合は、患部となっているところの治療は最後の最後です。なぜなら、そこに大きな問題があるのはなく、ほかのどこかにある問題をなんとかバランスを取ろうとした結果、その場所に無理がきて症状がでているからです。

 

オステオパシーでは、毎回足の先から、頭までからだの動きづらさや、傾聴という特殊な触診によって検査し、穏やかな手技やパーカッション・バイブレーターという振動を起こす機械などを用いて全身のバランスを回復することで、痛みなどを取り除いていくという施術を行っています。

腰痛(椎間板ヘルニア・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症など)の治療の考え方

 

  オステオパシーでは椎間板ヘルニアや坐骨神経痛など腰痛症状を伴う、症状を端に腰だけの問題としてはとらえません。

 たとえば、椎間板ヘルニアになったとして、全身からみるとそこにはなにが起こっているのでしょうか? 

 

 多くの場合、椎間板ヘルニアになったところの前後の背骨が非常に固い方などよくみられます。

 

つまり、ヘルニアになった箇所は、ほかの動かない部分を補うために無理をしているだけなのです。そこが一番正常な動きが可能だったために一番たくさん無理をしてきてくれた箇所が、ついに根付きてヘルニアという状態が生じただけなのです。

 

 ですから、いかにしてそのほかの動かない部分を動くようにするかを考えます。もちろん背骨の例を出しましたが、背骨が動かない理由もあるでしょう。例えば、肩などの手術をして、その癒着の制限が影響を出していたり、長い年月の不規則な食生活の影響で非常に固くなった腸が影響をだしているかもしれません。その原因は、様々なのです。

 

 そのようにして、全身を調整し、痛みの緩和をはかっていきます。また、長年痛みを抱え続けてきた方は、その痛みをかばう形の動作が定着してしまい、その影響で他のところにも痛みがでていたり、適切に筋肉を使うことができず、痛みを助長するような動作を行っていることがあります。そのような方のために、その方の運動習慣や動き方から、適切と思われる自主トレの指導や動作指導なども行っていきます。

 

 ただ、一つ注意して頂きたいのは、腰痛といっても様々で、非常に重篤な病気によっておこるものも多くあります。例えば、ガンやその転移などで起こってくるものもあります。ヘルニアにしても、手術がどうにも必要な場合もあるでしょう。まずは、適切な医療機関で診断してもらったうえで、補完医療、代替医療として、施術をお受けいただくことをお薦めします。場合によっては施術をお引き受けできない場合がありますのでご予約時にお問い合わせください。

 

 

脳卒中などの脳血管障害、神経難病発症後の後遺症の治療の考え方

 

 まずこれらの疾患は、常に医療とともにあるご病気です。適切な血圧の管理やさまざまな検査を適切な医療機関に定期的に受診し、全身の状態を知ってもらっていることが非常に大切になってきます。それらを前提にしたうえで、補完医療としての考え方を書いていきたいと思います。

 

 まず、脳卒中や神経疾患の方が、病院での治療やリハビリテーションを受け、在宅にもどられたあと、やっぱり困るというのは、その動きずらさや、腰や手足などの種々の痛みなどでしょう。それは入院中からのものかもしれないし、退院された後、徐々に強まってきたものかもしれません。脳卒中など脳や神経が壊死することによって麻痺が生じた方は、その影響とずっと付き合っていくこととなります。本来発揮できるはずの筋肉が十分に発揮できないのだから、徐々にその身体の色々な部分に負荷がかかり、痛みを生じたり、自分の使いやすいからだの使い方しかできず、少しずつ動きずらくなっていくということもあると思います。その際、訪問リハビリテーションを利用するというのも非常に良い選択だと思います。

 

 では、そのようなリハビリテーションとオステオパシーによる施術ではどんな違いがあるのでしょうか?

 それは、より全身的にアプローチできるというところだと思います。患者さんの動きづらさの原因となっているのは、必ずしも麻痺だけの影響ではありません。脳卒中などになるずっと以前からの身体の制限や動き方の癖が影響していることも考えられます。その影響でより動きづらい動作となったり、非効率な動作を学習してきたことも考えられます。もちろん、麻痺の影響というのは、再生医療が完成される日まで完璧な改善に至るとということは難しいのも事実です。だからこそ、少しでも効率よく動作していくため、動作やトレーニングを積んでいくことや、食生活や飲水量など気を付けなければならないこともたくさんあるのだと思います。

 

 ですから、特に施術の最初の段階は、身体を調整する時間に多くを割くようにしています。そしてその上で、少しずつ効率のよい動き方の指導や動作の指導などを行っていくようにしています。

 これまでの人生のなかで作ってきた制限を解消し、その方にあった運動の仕方を一緒に探していきます。歩くコツ、立つコツ、座るコツ。あるいは階段を昇るコツや降りるコツなど課題となる動きがあればその一つ一つに取り組み、コツを教えていきます。

 

 残念ながら当方では、現在、治療室がバリアフリーの体制ではないため、また車いすでの入室は困難であるため、歩行などで当方までの移動がご自分で可能な方のみ施術の対象とさせて頂いています。訪問診療は行っておらず、ご自分での移動が困難な方は、訪問看護ステーションなどからの訪問リハビリや病院での外来リハビリをおすすめさせて頂きます。また、病状などによってはお受けできないこともありますので、ご予約時にお問い合わせ下さいますようお願いします。

頭痛やめまいなどの症状の治療の考え方

 

 疲労やストレスで、体のバランスが崩れると生じやすい症状です。しかし、この場合でも必ず体全身をみます。もちろん頚部、頭部のバランスは重要な要素になってきますが、それだけではなく、骨盤など下半身のバランスも重要な要素となってくると考えています。

 また、日常生活の中でイライラや不安なことがあるのなら、それらを解消することも必要となってくるでしょう。

 

※ 治療方法、期間および程度には個人差があい、治療を受けていただいたすべての方に同じような結果が出るとは限りません。

※ 治療前にはオステオパシーについてのご理解を頂いたうえで治療を行っています。

※ 施術前には必ずオステオパシーの治療をお読みいただき、治療の方針を理解していただくことが必要となってきます